土日と、イベントの日にしか写真がない
去年の写真を遡っていて、少し寂しくなったことがあります。
4月に子どもが新しい学年に進級するので、この1年間どんなことがあったかを振り返っていたときでした。カメラロールには数千枚の写真が増えていました。「この1年間、色んなことがあったなぁ」と思い返していて、ふと気づいてしまったんです。
写真が並んでいるのは、土日とイベントの日だけでした。運動会、誕生日、帰省、旅行。そういう日は何十枚も写真を撮っている。でも、その間の平日には一枚もない日がずっと続いていました。
そのとき、思い出そうとしました。去年の秋の、なんでもない火曜日。在宅勤務を中抜けして保育園に娘をお迎えに行ったとき、手をつないで家に帰った日があったはず。満面の笑みで手をつなぎ、その日に保育園であったことを全部教えてくれたあの日。でも、その帰り道で何を話したのか、思い出せませんでした。「写真がないから」というよりも、写真がないとこんなにもきれいに記憶から消えてしまうのか、と思いました。
いちばん長く一緒にいたはずの日々が、いちばん残っていない。カメラロールは、日々の成長の記録ではなく、イベントの記録になっていました。
1,095枚あっても、見返さない
反対に、写真が多すぎて困っている人もいます。というより、同じ人の中で両方が起きています。私もそうです。
1日3枚撮れば、1年で1,095枚。子どもが2人3人といれば、もっと増えます。それだけあれば十分に残っているはずなのに、去年の写真を最初から見返したことがある人は、たぶんほとんどいません。
似た顔や構図が20枚くらい続いていて、どれがその日の最高の1枚なのかわからない。スクロールしても終わらない。だんだん開くのが億劫になって、結局は「あとでゆっくり見よう」のまま一年が過ぎます。
撮っていない日があることと、撮りすぎて見返せないこと。逆のようでいて、根っこにある課題は同じでした。その日を思い出せる写真を、その日のうちに決めていない。あとでまとめてやろうと思ったことは、たいていやらないんです。
写真の整理そのものに困っている方は、子どもの写真が増えすぎて整理できないに具体的な手順を書きました。
たくさん撮った日も、撮れなかった日も
our365でお願いするのは、ひとつだけです。「今日いちばんの写真を、1枚選ぶ」こと。
たくさんの写真を撮った日は、その中から1枚を選ぶだけです。残りの写真は消さなくていいし、整理もしなくていい。カメラロールはそのまま、「今日の最高の1枚はこれだった」とひとつ決めて記録するだけです。
一枚も撮っていない日は、逆に、撮る理由になります。特別なことが起きるのを待たなくていい。ごはんを食べている横顔でも、料理のお手伝いをしている姿でも、その日が思い出せるなら何でもいいんです。
1日1枚を選ぶことが習慣になると、「宿題を頑張る姿」や「庭で遊ぶ姿」、「一緒に晩ごはんを食べる姿」など、毎日のなんでもない時間も残るようになりました。子どもたちの方から「今日はこれを撮ってほしい」とお願いしてくることもあります。
そうして1年が経つと、365枚が残ります。365枚、それも毎日の最高の1枚なら、最初から最後まで見返せます。
選んでいるあいだに、思い出している
作りながら、自分でも予想していなかったことがありました。
たくさん撮った日の夜、その日の写真を選ぶとき。何枚かを見比べて、どれがいちばん今日らしいかを考えます。この数分のあいだに、私はその日のことをもう一度振り返って思い出します。ああ、これを撮ったとき、この子はこんなことを言っていたなぁ、とか。
写真を撮るのは単なる記録ですが、写真を選ぶのは記憶を辿って思い出すことでした。
だから our365 には、AIがベストショットを自動で選ぶ機能を入れません。たしかに写真を選ぶ手間は減ります。1枚1枚を見て、横を向いていたり、目を閉じている写真を選別することもしなくていい。でも、写真を選ぶその手間こそが、このアプリでいちばん大事にしたかった時間でした。自動で選ばれた1枚と、自分で選んだ1枚は、同じ画像ファイルでも、1年後の重さがまるで違うと考えています。
大切だから、どこにも預けない
そして、写真はあなたのiPhoneとiCloudにだけ保存しています。私たちのサーバーには届きません。広告もトラッキングもありません。
子どもの写真を外に預けることに、不安があると思います。加えて、最近だとAIの学習データとして自分の写真が使われるんじゃないか、という不安もあります。同じ気持ちの人が安心して使えるものを作りたかった、というのが正直なところです。
もちろん、将来的に家族で共有する機能を実現するために、私たちがサーバーを持つ必要も出てくると思います。でも、今の使い方はそのまま残します。これはお約束します。
1年後に、開いてみてください
来年の今ごろ、あなたのカメラロールには数千枚の写真が増えていると思います。そのうち、実際に見返すのは何枚でしょうか。
365枚なら、見返せます。イベントがあった日だけじゃなく、なんでもなかった日も、ちゃんと残っています。



